ECマーケティングとは?売上アップに向けたWebプロモーション、導線改善、CRMの施策を解説

ECサイトの運営に必要なマーケティング活動は、どのように進めていけばよいでしょうか。本稿ではそもそものマーケティングの定義や、実店舗とECのマーケティングの違いを踏まえ、ECサイトの運営に必要なマーケティング施策や手法について解説します。WebプロモーションやECサイトの導線改善、CRMといった売上アップにつながる施策を紹介しています。日々の店舗運営に役立ててください。

なお、記事の前半ではECマーケティングの基本的な定義など、基礎部分について解説し、後半ではECマーケティングの施策や手法を紹介しています。ECマーケティングの定義をご存知の方や、施策だけ知りたい方は、第3章 ECマーケティングにおける「プロモーション・販促」の施策例からお読みください。

マーケティングとは?言葉の定義と対象範囲

ECマーケティングの定義を考察する上で、まずはマーケティングの定義や、マーケティングが対象とする領域について整理しておきます。ECとは直訳すると「電子商取引」であり、商品やサービスを販売する際の販売形態の1つです。そう考えると、ECマーケティングとは、企業のマーケティング活動の中で、EC事業にかかわるものを指すと考えるべきでしょう。

マーケティングという言葉は、その言葉を使う人や、使うシチュエーションによって揺らぎがあるようです。ひとまず公式な定義として、公益社団法人日本マーケティング協会と米国マーケティング協会(AMA)が公表している文章を見てみましょう。

マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。(1990年策定 公益社団法人日本マーケティング協会の公式サイトより引用)

マーケティングとは、顧客、クライアント、パートナー、および社会全体にとって価値のある製品を作成、伝達、提供、および交換するための活動、一連の機関、およびプロセスです。(2017年承認 米国マーケティング協会(AMERICAN MARKETING ASSOCIATION)の公式サイトより引用、日本語訳はGoogle翻訳を使用)

これらの定義を踏まえると、マーケティングの対象範囲は、企業が商品を製造・販売していくプロセス全般を指すと理解するのが良さそうです。

ピーター・ドラッカーやフィリップ・コトラーの定義

マーケティングとはどのような活動を行うことなのか、もう少し具体的に理解するために、マーケティングの世界的権威であるフィリップ・コトラーや、マネジメント理論で知られるピーター・ドラッカーの著書を参考にマーケティングの定義を深掘りしてみましょう。

ドラッカーは「マーケティングの理想は、販売を不要にすること」と定義

マネジメント理論で知られるピーター・ドラッカーは、著書「マネジメント(エッセンシャル版)基本と原則 」のなかで、「マーケティングの理想は、販売を不要にすること」と論じています。

実のところ、販売とマーケティングは逆である。同じ意味でないことはもちろん、補い合う部分さえない。もちろんなんらかの販売は必要である。だがマーケティングの理想は、販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである

出典:P.F.ドラッカー著「【エッセンシャル版】マネジメント 基本と原則」第58刷 P17,ダイヤモンド社

コトラーが挙げたマーケティングの取り組み

フィリップ・コトラーはマーケティングについて、著書「コトラーのマーケティング・コンセプト」で次のように説明しています。

マーケティングとは、充足されていないニーズや欲求を突き止め、その重要性と潜在的な収益性を明確化・評価し、組織が最も貢献できる標的市場を選択したうえで、当該市場に最適な製品、サービス、プログラムを決定し、組織全成員に顧客志向、顧客奉仕の姿勢を求めるビジネス上の機能である

出典:フィリップ・コトラー著「コトラーのマーケティング・コンセプト」第21刷 P5,東洋経済新報社

そして、フィリップ・コトラーは共著「コトラー&ケラー&チェルネフ マーケティング・マネジメント」において、マーケティングの対象範囲として、企業ミッションの定義や資源配分、製品開発、市場調査、生産プロセスの構築、市場セグメントとターゲット顧客の明確化、ポジショニング、製品の差別化やデザイン、顧客に対するサービスの設計、ブランディング、価格設定、顧客とのコミュニケーション、広告・SNS・PRなどの戦略、販売戦略、流通チャネルの設計と管理、企業の成長戦略、新市場の開発、顧客ロイヤルティの構築、グローバル市場への進出、企業の社会的責任──といった項目を挙げ、それぞれについて詳しく解説しています。

出典:フィリップ・コトラー,ケビン・レーン・ケラー,アレクサンダー・チェルネフ 著「マーケティング・コンセプト」原書16版,丸善出版

フィリップ・コトラーがマーケティングの対象に挙げた項目は、企業の事業計画から製品の製造、販売、経営、マネジメント、市場分析、パブリック・リレーションズまで多岐にわたります。

企業活動の多くがマーケティングの対象

日米のマーケティング協会が公表している定義や、フィリップ・コトラーの著書などを踏まえると、マーケティングとは単なる販売促進活動ではなく、その対象は非常に広範囲であり、取り組みが多岐にわたるということは理解できるのではないでしょうか。むしろ企業活動の大部分が、マーケティングの対象になると考えるべきなのかもしれません。

なお、マーケティングの具体的な取り組みについて、より詳しく知りたい方は、「コトラー&ケラー&チェルネフ マーケティング・マネジメント」がオススメです。ただ、この書籍は約800ページに上り、とっつきにくいかもしれません。そういった方は、現代のマーケティングで最も重要な80のコンセプトをまとめた、フィリップ・コトラーの著書「コトラーのマーケティング・コンセプト」が読みやすいと思います。

STP理論やチャネルミックス

マーケティング4P理論

マーケティングにはさまざまな理論やフレームワークがあります。その中で、EC業界の実務でも使われているマーケティング理論を紹介します。

例えば、商品の販売において決定すべき重要な要素として、「製品(product)」「価格(price)」「プロモーション(promotion)」「場所(place)」の4つを挙げたフレームワーク「4P理論」は非常に有名です。また、4P理論をベースにサービス業を想定して「プロセス(process)」「人(people)」「物理証拠(physical evidence)」を加えた「7P理論」が使われることもあります。

このほかにも、フィリップ・コトラーも論じた「セグメント」「ターゲティング」「ポジショニング」は、現代のマーケティングにおいて必須のものであり、それぞれの頭文字をとって「STP理論(STPマーケティング)」などとも呼ばれ広く知られています。

ECマーケティングとは?

前置きが長くなりましたが、前章で解説したマーケティングの定義を踏まえ、ECマーケティングとはどのような取り組みなのか考察します。

マーケティングの中で、ECに関するものをECマーケティングであると本稿では定義しました。例えば、先に挙げた「4P理論」であれば、Product(商品・サービス)はEC向けの商品を開発すること、Price(価格設定)はオンライン販売における価格戦略を考えること、Promotion(販促・プロモーション)はSEOやネット広告などオンライン販売の施策を打っていくこと、Place(売り場)は自社ECサイトやECモールを選択すること。こうしたECならではのマーケティング活動が「ECマーケティング」であると言えるでしょう。

マーケティングのゴールは「新規獲得」ではなく「売り上げ・利益の最大化」

「マーケティング」について「新しい顧客を集めること」とイメージするかもしれません。しかしマーケティングの最終目標は「売り上げ・利益を最大化すること」です。

そのため新規顧客の獲得だけではなく「初回に購入した顧客をどうリピートさせるか」「3回目以降も買ってもらうためにどのようなアクションをすべきか」といった点を総合的に考える必要があります。また「平均購入単価」についても考えながら施策を実行することが必要です。

LTVを意識する

ECのマーケティング用語では「LTV」という言葉がよく用いられます。LTVは「Life Time Value」の略であり「顧客生涯価値」と訳されます。簡単にいうと「一人当たりの顧客が生涯でECサイト経由で購買した額」のことをLTVといいます。

たとえば1人の顧客が初回で2万円の商品を購入し、そのあとも同じ商品を合計3回購入したとします。この場合、その顧客のLTVは2万円×3回 = 6万円となります。

ECサイトにおいて売り上げ・利益を向上させるには「LTVの最大化」が重要です。新規顧客獲得のために「広告を打つ」という思考になりがちですが、既に購買データが揃っている場合は、「見込み顧客の育成」や「アップセル・クロスセル」「休眠顧客の掘り起こし」といった施策を同時に回しましょう。

この後の内容では新規獲得以外のマーケティング施策についても紹介していきます。

ECマーケティングと実店舗マーケティングの違い

EC実店舗間マーケティング

次に、ECと実店舗のマーケティングの違いを整理しておきましょう。ECのマーケティングは非対面での接客、物理的な制約がないといった特徴に加え、コミュニケーションや取得できるデータなども実店舗とは違いがあります。こうしたECの特徴を踏まえ、ECマーケティングの戦略を立てていくことが必要です。

ECの商圏は全世界

実店舗の主なターゲットは、日常的に来店する顧客や、来店可能な商圏に住む消費者ですが、ECのターゲットは全国津々浦々、インターネットがつながるすべての地域に住む消費者です。それどころか、海外の消費者も対象になります。国内外のどこに潜在顧客がいるのか、ニーズを探りながら施策を打つのがECマーケティングです。

ECは非対面で接客

ECはパソコンやスマートフォンなどの画面を通して、商品の魅力を消費者に伝え、購入メリットを提示して購入意欲を喚起しなければいけません。そのためには、例えばECサイトのファーストビューで惹きつけ、ページをスクロールさせる表現力などが必要になります。

また、実店舗では商品の陳列の仕方や棚の配置など、店内の導線設計がマーケティングの重要なポイントになりますが、それはECサイトでも同じこと。商品を探しやすいカテゴリの分類、購入完了まで離脱させない分かりやすい導線設計、スマホでの文字入力を補助する入力フォーム最適化(EFO)の実装など、ECならではの導線設計で顧客を購入完了まで導く必要があります。

ECは継続的なコミュニケーションが得意

ECマーケティングのコミュニケーションツールはメルマガやLINE、アプリのプッシュ通知、SNS投稿、ライブ配信など主にデジタルなので、物理的な制約を受けずに遠方の消費者とも継続的にコミュニケーションを取ることができます。実店舗では帰宅後の顧客にリアルタイムでリーチする手段は電話などに限られますが、ECマーケティングはさまざまなオンラインツールで購入後も継続的、かつ、小まめにコミュニケーションを取ることが可能です。

結論:ECと実店舗、両方の良さを活かすマーケティングに取り組む

ECマーケティングは商圏に制限がなく、継続的かつ細やかなコミュニケーションを取ることができます。ただし、非対面であるために、顧客のひととなりが見えにくいといった難点もあります。アクセス解析やデジタルデータの分析を通じて、顧客のことを理解した上で、マーケティングを展開していくこと必要です。

実店舗は商圏に制限があるものの、対面で深いコミュニケーションを図り、店舗スタッフが接客を通じてアップセルやクロスセルを行えるなどメリットもあります。実店舗とECの両方を運営している企業は、ECと実店舗を対立させるのではなく、それぞれの長所を活かして顧客との接点強化に取り組むことが重要です。

ECマーケティングにおける「プロモーション・販促」の施策例

ここからは、ECマーケティングの施策を紹介します。マーケティングの対象範囲は多岐にわたりますが、本稿では「プロモーション・販促」にフォーカスし、「集客」「Webページ改善」「リピーター化・ファン化」という3つのテーマで具体的な施策を解説します。どれも自社ECサイトの運営に欠かせないものであり、すぐに実行できる施策です。日々の店舗運営に活かしてください。

  • 集客の施策:検索エンジン経由の集客、SNS経由の集客、広告経由の集客
  • Webページ改善の施策:ECサイトの導線改善、商品の魅力を伝える、購入までの不安解消、決済フロー
  • リピーター化・ファン化の施策:CRM、優遇施策、ライブコマース

ECの「集客」に役立つ3つの施策

ECの集客は、主にオンライン上で見込み客(ターゲット)を探し出し、ECサイトへの訪問を促進します。具体的な施策としては「検索エンジン対策」「SNS」「広告」があります。

検索エンジン対策(SEO)

検索エンジン対策とは、GoogleやYahoo!など検索エンジンの検索結果の上位に、自社ECサイトのページを表示させる対策です。上位表示を狙いたいキーワードをピックアップし、自社ECサイトのトップページやカテゴリページのタイトルタグにそのキーワードを盛り込むといった対策があります。

また、ブログを書き、その記事を経由してECサイトにユーザーを流入させる「コンテンツSEO」も重要です。例えば、「食品 ギフト」というキーワードで検索上位表示を狙うのであれば、「プロが選ぶ食品ギフト5選」といったテーマでブログを執筆し、自社の商品やブランドを紹介して商品ページへのリンクを貼ることで、ブログを読みに来たユーザーをECサイトへ誘導します。

狙ったキーワードで検索上位表示を実現する対策は多岐にわたりますが、基本的な考え方としては、検索者が知りたい情報について、有益で分かりやすいコンテンツを作ることが重要です。検索者にとって価値のあるコンテンツは、Googleからの評価が上がり、検索結果の上位に表示されやすくなります。

なお、自社の商品やブランドに関連する記事を書く際は、CMSのドメインがECサイトと同一であることが望ましいとされています。

SNS経由の集客

InstagramやTwitterといったSNSは、自社ECサイトの集客に欠かせないツールになりました。ブランド公式アカウントが新商品やセール情報、コーディネート、商品の使い方などユーザーの役に立つ情報を定期的に発信し、認知を広げつつフォロワーを増やす取り組みはEC業界でも広く行われています。

中でもInstagramは、商品をビジュアルで訴求でき、認知から購入へとシームレスにユーザーを誘導できることから、ECとの相性が良いとされています。投稿写真に商品名や価格などを表示し、ECサイトへリンクを貼ることができる「ショッピング機能」は、自社ECサイトを運営する上で特に重要な機能です。

近年は、インフルエンサーに商品を紹介してもらう「インフルエンサーマーケティング」も活発です。また、一般ユーザーが投稿した写真をECサイトに掲載し、商品の口コミとして使用するなど、UGC(ユーザー投稿コンテンツ)をECサイトの販促に活用する取り組みもあります。

オンライン広告による集客

ECでよく使われるオンライン広告には「検索連動型広告」「ディスプレイ広告」「SNS広告」「インフルエンサーマーケティング」「アフィリエイト」があります。

1.検索連動型広告

GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、検索キーワードと関連性が高い広告が検索結果に表示される広告です。検索者のニーズに合致した広告が表示されるため、ECのコンバージョン(購入)につながりやすいのが特徴。なお、Googleは検索結果に商品の画像や価格が表示され、ワンクリックで購入ページに飛ぶ「ショッピング広告」も提供しています。

2.ディスプレイ広告

ウェブサイトやアプリなどの広告枠に、広告バナーが表示されます。ページの内容にマッチした広告が表示されたり、ページを訪れたユーザーの興味・関心に合致した広告が表示されたりするものもあります。

3.SNS広告

FacebookやInstagram、Twitterなど、SNSのプラットフォーム上で配信する広告の総称です。広告クリエイティブは主に画像や動画が使われます。ユーザーの興味・関心やデモグラフィックデータにもとづいてセグメント配信を行える場合もあり、例えばFacebook広告はユーザーの年齢や性別、居住地域などで配信ターゲットを絞り込むことができます。

4.インフルエンサーマーケティング

SNSで多数のフォロワーを持つ有名人など、一般消費者に対して影響力を持つ人(インフルエンサー)に商品を紹介してもらうのが「インフルエンサーマーケティング」です。フォロワー数が100万人を超えるようなビッグインフルエンサーだけでなく、フォロワーが1000〜数万人でも特定のカテゴリに強い影響力を持つインフルエンサーもいます。KPIや予算に応じて人選を行いましょう。

5.アフィリエイト

商品の販売実績に応じて紹介者(=アフィリエイター)に広告費が支払われる成果報酬型の広告です。アフィリエイターは、ブログやSNSなどで商品を紹介し、購入ページへのリンク(URL)を貼ります。一般消費者がそのリンクを踏んで商品を購入した場合、アフィリエイターに報酬が支払われます。コンバージョン1件あたりの報酬額をあらかじめ決めておけば、広告投資の費用対効果を管理しやすくなります。

コンバージョン率アップにつながる「Webページ改善」の施策

ECサイトを訪れたユーザーに商品を購入してもらうには、ページ内でブランドや商品の魅力を訴求し、購買意欲を高めるコンテンツを掲載することが必要です。また、ユーザーがECサイトに流入してから購入を完了するまで、ユーザーをECサイトから離脱させない導線を設計することも重要です。

商品の魅力を伝えるコンテンツ

商品を直接手に取ることができないECサイトにおいて、写真や文章、動画などの「コンテンツ」は、ユーザーの購買促進に重要な役割を果たします。特にスマホECでは写真や動画を使ったビジュアル訴求が重要。アパレルならモデルの着用例やコーディネートを掲載し、サイズや使用感を伝えます。食品なら湯気が立ち上っている写真や、シズル感がある写真を掲載するなど、商品の魅力が伝わるコンテンツを制作しましょう。

ECサイトの導線改善

自社ECサイトを開店した後も、ECサイトの導線を随時改善する必要があります。例えば、季節ごとのイベントやキャンペーンを開催する場合、それらの特設ページを訪れてもらうための誘導バナーをトップページやカテゴリページに掲載することが欠かせません。

自社ECサイトの導線改善は、エンジニアやデザイナーがその都度コーディングするのではなく、ECサイトの運用担当者が管理画面で操作できるとタイムリーに施策を打つことができます。コーディングの知識がなくても導線改善を行えるECプラットフォームを使用すると良いでしょう。

購入前の不安を解消

ECサイトに「買い物ガイド」などのページを作り、消費者が知りたい情報を掲載しておくことも大切です。消費者は初めて使うネットショップにおいて、「商品が本当に届くか」「返品したいときは、どのような手続きをすれば良いか」といった疑問を持つこともあるでしょう。そういった消費者の心理を踏まえて買い物ガイドの内容を充実させてください。カートボタンの近くに「買い物ガイド」へのリンクを貼るなど、ユーザーが離脱しやすいポイントを踏まえて導線設計を行うこともコンバージョン率アップのポイントです。

決済フロー

ECサイトで使われる決済方法は、クレジットカードや代引き、コンビニ払い、後払い、ID決済、キャリア決済など多岐にわたります。ECサイトで使いたい決済手段は人それぞれ。希望する決済手段が使えないと、そのECサイトで買い物をすることをやめてしまうかもしれません。決済の選択肢が魅力的なほど、購入途中での離脱を防ぐことができるでしょう。

また、顧客がカード決済を選択した場合、初めて使うECサイトにクレジットカード番号を入力する際に、入力作業を面倒に感じる人もいるでしょう。カード情報の漏えいを懸念し、カード番号をECサイトに登録することをためらう人もいるかもしれません。そういったケースに備えるには、Amazon Payなどカード番号を都度入力せずに決済できるID決済をECサイトに導入しておくと、消費者のカゴ落ちを防ぐことができます。

PayPayやd払いといった決済サービスは、サービス運用元がポイント還元率アップキャンペーンなどを頻繁に実施しています。そういったキャンペーンに乗り、ポイント還元によるお得感をECサイト上で演出するなど、決済サービスのプロモーション施策を活用することもECサイトにおける販促のポイントです。

「集客」と「Webページ改善」の施策例

ここまでに解説した「集客」と「Webページ改善」の施策について、詳しい内容はこのイーコマースマガジンのバックナンバーでも解説しています。以下の記事も参考にしてください。

「リピーター化・ファン化」を促進する施策

自社ECのファン化がマーケティングに重要

2020年春以降、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、巣ごもり需要が高まってEC市場が急拡大しました。ただ、ECサイトの新規立ち上げも増え、EC事業者同士の競争が激しくなっています。新規獲得コストが上昇しているネットショップも散見され、既存顧客に繰り返し利用してもらうこと(リピーター化)の重要性は、これまで以上に高まっています。

CRM

CRMは「顧客関係管理」を意味するマーケティング用語で、顧客との長期的な関係性を構築するための取り組み全般を指します。具体的な施策の例としては、会員の購買履歴やECサイトの閲覧履歴などをもとに、届ける情報を会員ごとに最適化するワン・トゥ・ワン・マーケティングがあります。会員データベースにもとづいてセグメントを作り、メルマガやLINE、DMなどを使ってリーチすることで、顧客に好まれるコンテンツが届きやすくなりエンゲージメント強化につながります。

リピート促進の施策としては、ECサイトのレコメンド機能でユーザーが好みそうな商品を表示したり、2回目の購入者に限定したクーポンを発行したりするなど、再訪問のきっかけを作ることが効果的です。

ロイヤル顧客への優遇施策

年間購入金額が一定額を超えている顧客などに限定して優遇サービスを提供することも、顧客のファン化につながります。購入金額に応じて会員ステージを設け、ポイント付与率をステージによって変えたり、上位ステージ向けに特別クーポンを配布したりするといった施策も有効です。VIP会員限定で先行予約を受け付けるなど、特別感を演出したサービスを提供するのも良いでしょう。

ライブコマース

顧客とのコミュニケーション手段として、ライブコマースを活用するEC事業者さまも増えています。ライブコマースは商品を販売する手段であるだけでなく、配信中に視聴者が投稿したコメントを配信者が読み上げ、その場で回答することで顧客とコミュニケーションを取るなど、顧客のファン化にも活用できます。毎週同じ曜日、同じ時間にファンが集まる場所としてライブ配信を実施すれば、ブランドのファンがゆるくつながるコミュニティを作ることもできます。

ECマーケティングの注意点と改善のポイント

最後に、ECマーケティングに取り組む際の注意点を解説します。ECマーケティングで成果を出すために必要な目標設定やECプラットフォーム選びのポイント、ECサイト運営を改善するための勉強法などを紹介します。

目的の明確化が重要

ECマーケティングの施策を実行する際は、施策の目的を決めておくことが重要です。「認知拡大」「興味関心の深化」「購入促進」「コンバージョン率改善」「リピート率向上」など、具体的な目的を設定しましょう。目的を設定すると戦略を立てやすくなりますし、目的の達成度で施策の成果を判断したり、目的達成にかかった費用対効果を測定したりするなど、成果検証と改善のPDCAサイクルを回しやすくなります。

変化に対応できるECプラットフォームを利用

ECマーケティングの施策は、消費者の購買行動の変化や、ECに関するテクノロジーの進化に合わせて、その時々で最適なものを選択する必要があります。ECマーケティングの施策は主にデジタルで実施するため、そのためのシステムが必要になりますが、施策を打つたびに機能開発のコストをかけられる企業は限られています。

ECサイトを立ち上げる際は、ECマーケティングで実施したい施策を実現できる機能が備わっているECプラットフォームを選ぶことが重要です。そして、それ以上に大切なのは、時代の変化に対応した最新の機能が随時追加されるECプラットフォームを選ぶことです。

ECサイトを立ち上げても、実施したいマーケティング施策が実現できなければ、売上を伸ばしにくくなります。自社ECサイトの売上を伸ばすために、機能が豊富で、かつ随時バージョンアップされることで陳腐化しないSaaS型のプラットフォームを利用する企業が増えています。

信頼できる相談先や情報ソースを見つける

EC事業に必要な施策や、足りないことを一番理解しているのは、その会社のEC担当者さまでしょう。しかし、マーケティングを独学しただけで業務にあたっているなど、一人では戦略策定に悩んだり、施策の優先順位を迷ったりするなど、壁にぶつかることもあるのではないでしょうか。

そんなとき、気軽に相談できる相手がいれば、壁を破るヒントを得られるかもしれません。第三者の意見を聞くことで、自社が置かれた状況を俯瞰的に見ることができるようになり、打開策が見つかることもあるでしょう。

株式会社フューチャーショップは、futureshopをご利用中の店舗さまを対象に、電話やメールでサポートを行っています。futureshopの機能を使いこなしていただくためのサポートにとどまらず、売上アップの方法を具体的に学んでいただくことを目的とした勉強会「フューチャーショップアカデミー」や、ECサイトを新たに立ち上げた店舗さま向けのコンサルティング(オンボーディング)も実施しています。信頼できる相談者や、伴走してくれるパートナー企業をお探しの店舗さまは、ぜひフューチャーショップにご相談ください。

ECのセミナーを活用する

ECセミナーでマーケティングスキルアップ

ECマーケティングについて情報収集するには、EC業界で開催されているセミナーに参加するのも良いでしょう。株式会社フューチャーショップは、EC業界で話題のテーマを扱ったセミナーを随時開催しています。外部の専門家を講師に招き、マーケティング戦略の立て方やデジタルマーケティング、SEO、広告、SNSなど、ECの基礎から応用までさまざまなテーマでセミナーを開催しています。どなたでも無料でお申し込みいただける講座も多数開催していますので、ぜひセミナー紹介ページをご覧ください。

ECの利益率を向上させるためのコスト削減戦略

ECビジネスの成功の鍵は、売上だけでなく、利益率の向上にもあります。利益率を向上させるための最も効果的な方法の一つは、コスト削減です。以下に、EC事業者が取り組むべき3つの主要なコスト削減の方法を詳しく説明します。

1. 効率的な在庫管理

在庫コストは、EC事業者の固定コストの大部分を占めています。在庫を過剰に抱えることは、資金繰りの悪化や商品の鮮度低下、廃棄ロスの増加など、多くのデメリットをもたらします。効率的な在庫管理システムを導入することで、必要な商品のみを適切な量だけ保有することができ、在庫コストの削減が期待できます。

2. 送料・配送コストの最適化

送料や配送コストも、EC事業者の変動コストの大きな部分を占めています。一律の送料設定や、一つの配送業者のみとの契約では、コストの最適化が難しい場合があります。複数の配送業者との契約や、地域別、重量別の送料設定を導入することで、配送コストを効果的に削減することができます。

3. 自動化と効率化による人件費の削減

ECサイトの運営には、商品の登録、注文処理、カスタマーサポートなど、多くの作業が伴います。これらの作業を手動で行うと、人件費が増加します。システムの自動化や効率化ツールの導入により、作業時間を短縮し、人件費の削減を実現することができます。

コスト削減は、ECの利益率向上のための重要な要素です。上記の3つの方法を取り入れることで、より効果的にコストを削減し、ビジネスの成長を加速させることができるでしょう。