【2023年最新】ECの分析に必要なアクセス解析ツールとは?確認すべき数値とおすすめツールを紹介!

効果的なECサイトの運営をするために、アクセス解析ツールの利用を考えている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、アクセス解析ツールを利用するメリットやアクセス解析で主にみるべき指標についてわかりやすく解説します。また、アクセス解析ツールを選ぶポイントやおすすめのアクセス解析ツールについても紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

ECの分析に必要なアクセス解析ツールとは?

アクセス解析ツールとは、ホームページへの訪問者数、行動パターン、ユーザー属性などの情報を詳しく調べられるツールです。

アクセス解析ツールを活用すれば、特定のECサイトに検索で訪問し、サイトを離脱するまでの一連のユーザーの動きを追跡することができます。また、ユーザーが使用するデバイスや、どの国や地域からアクセスがあったのかも把握可能です。

このツールにより、訪問者のデモグラフィック情報や、使用しているブラウザといった詳細な情報が得られるため、より効果的なWebサイト運営やマーケティング活動を行えます。

ECの分析にアクセス解析ツールを利用する4つのメリット

ここからは、アクセス解析ツールを利用するメリットを4つ紹介します。

1.ECの現状の課題を把握できる

アクセス解析ツールを使うことで「自社が運営するECサイトの課題」がわかり、改善策を考えることが可能です。

例えば、アクセス解析ツールを使うことで「訪問者がWebサイトのどの部分で離脱しているのか」が分かります。すると、離脱の原因について仮説が立ち、改善策を考えられます。

また、訪問者数が多いが「カゴ落ち」(購入途中での離脱)が頻繁に発生している場合、購入プロセスの流れを最適化することで、その発生率を低減することが可能です。

2.販促活動に活かすことができる

アクセス解析ツールの活用により、マーケティングや販促の効果を最大化できます。

例えば解析結果から「アプリを通じた購入が主流であること」がわかった場合、アプリ特化のマーケティング戦略が最善策であるという仮説を立てられます。アプリユーザー向けの特典を提供することで、コンバージョン数を増やすことが可能です。

さらに、アクセス解析ツールでは顧客の属性が分かります。ターゲット像を明確にできるため、最適な広告出稿先についても検討できるのがメリットです。

3.オフラインでの施策に活かせる

オンラインでのデモグラフィックデータ収集は、オフラインでの情報、特に店舗の配置・設計に役立ちます。一方、POSデータのみを利用する場合、店舗設営場所などのバイアスがかかるため、データの質がオンラインに比べて低下する可能性があります。

オンラインのデータは、分かりやすく明確であるため、オフラインでの戦略策定においても非常に有益です。より効果的に計画し、実行することができます。

4.CPAを最適化できる

CPA(Cost-per-acquisition)は、新規獲得顧客のコスト効率性を示す指標です。この指標は、成功の全てを示すものではないものの、マーケティングの投資収益率(ROI)のマイルストーンとして非常に重要な役割を果たします。

CPAは、オンライン購入やニュースレター登録、アプリのダウンロードなど、さまざまなアクションを測定することが可能です。これらのアクションは、最終的に顧客のCPAを最適化することで、マーケティングの効率性を向上させ、長期的な顧客関係の構築にも貢献するものです。

アクセス解析ツールの3つの種類

アクセス解析ツールには主に3つの種類があります。それぞれ順に紹介します。

1.Webビーコン型

Webビーコン型のアクセス解析ツールは、サイトの各ページにJavaScriptなどのタグを埋め込むことで、トラッキングコードが解析サーバーに送られる仕組みになっています。

アクセス解析ツールの多くがこの「Webビーコン型」を採用しており、タグを設置することですぐに計測を開始できるところが特徴といえます。

2.サーバーログ型

サーバーログ型のアクセス解析ツールは「アクセスログをWebサーバーに直接保存する仕組み」です。分析する際に、解析ソフトにログファイルを読み込ませることで、分析できます。

この仕組みの欠点としては、解析サーバが定期的にWebサーバからアクセスログを取り込むため、リアルタイムな分析ができない点です。またWebサイトの規模が大きいとログも増えるので、アクセス解析に時間がかかる場合があります。

3.パケットキャプチャリング型

パケットキャプチャリング型のアクセス解析ツールは、インターネット上を行き交うデータパケットをキャプチャし解析マシンに送信する仕組みになっています。

パケットキャプチャリング型は、専用の解析サーバーが必要になるため、初期費用が高額になる場合があります。また、ほかの解析ツールに比べて専門的な知識が必要なため、一般的なWebサイトのアクセス解析には不向きです。

ただし、Webビーコン型と同じようにリアルタイムで解析できる点や、JavaScriptが動作しない場面でも解析が行える点はメリットといえます。

アクセス解析ツールで確認すべき8つの数値

ここからは、アクセス解析ツールで確認すべき主な8つの数値について紹介します。

1.PV(ページビュー数)

PV(ページビュー数)とは、「期間内にユーザーにページが表示された総数」を示す数値です。これは、ユーザーがページにアクセスするたびに1PVとしてカウントされます。

1人のユーザーが3つの記事ページにアクセスした場合、PV数は「3」となります。仮に、ユーザーが1セッション内で同じページに3回アクセスした場合も同じカウントになります。

2.UU(ユニークユーザー数)

UU(ユニークユーザー)数は、「期間内にWebサイトに訪れたユーザーの数」を示す指標です。UU(ユニークユーザー)のカウントでは、同一ユーザーのアクセス重複は除外されます。1人のユーザーが3つの記事ページにアクセスした場合、UU数は「1」です。純粋にサイトに訪れたユーザーの人数を観察できます。

そのため、ECサイトの集客力を改善したい場合には、UU(ユニークユーザー)を指標とするのが効果的です。

3.セッション数

セッション数は「一定の期間内にユーザーがWebサイトに訪れた回数」を意味する指標です。

ただし、以下の場合は、セッション切れによって、同一ユーザーでも別のセッションとしてカウントされます。

  • 離脱したユーザーが再び流入したとき
  • Webサイトを訪れてから一定時間が過ぎたとき
  • Webサイト閲覧中にキャンペーンが切り替わったとき

このように、セッション切れのタイミングを理解しておくことで、より正確な分析をすることが可能です。

4.CVR(コンバージョン率)

CVR(コンバージョン率)は、「サイトに訪れたユーザーが、何らかの目的を達成するために行動した割合」を示す指標です。目的を達成することを「コンバージョン(CV)」といいます。ECサイトの場合は「商品を購入」が主なコンバージョンです。

CVR(コンバージョン率)は以下の式で算出されます。

コンバージョン率 = コンバージョン数(CV数)÷ UU(またはセッション)数 × 100%

コンバージョン率を把握することで「ECサイトが顧客にとってどのくらい購買しやすいか」を判断することが可能です。

5.直帰率

直帰率とは、「ユーザーがサイトに訪問した後、1つのページを閲覧してサイトを離脱する割合」を示す数値です。

直帰率が高い場合、ユーザーはECサイト自体、もしくは商品に行動から、コンテンツへの興味の有無や、ほかのページへの回遊のしにくさなどを改善点として把握できます。

6.離脱率

離脱率とは「そのページでサイトの閲覧を終えたセッションの割合」を示した指標です。PV数に対する離脱数で計算される数字であり、どのページでユーザーが閲覧をやめたのかを把握することができます。

商品購入前や申し込み前のページで離脱率が高いと、成約に結び付かないため、改善の必要性があります。

7.LTV(ライフ・タイム・バリュー)

LTV(Life Time Value)は、「1人の顧客が生涯にわたってもたらす価値」のことです。この指標を分析することで、1人あたりの顧客が商材に対していくらの対価を支払ったのかが、具体的に知ることができます。

 LTVはリピート率、商材単価との関連性が高い指標です。またロイヤルカスタマーの選別にも使えます。ビジネスではよく「企業の売上の8割は2割の優良顧客によって生み出される」という「パレートの法則」が注目されます。いかにLTVを高めるかはECで成功するカギです。

8.F2転換率

F2転換率は、「新規顧客の中で2回目の購入を行った人の割合」を示す指標です。具体的には「初回購入者」の中で「2回目購入を実行した人数」の割合を示しています。

このF2転換率は、新規の顧客がどれだけリピート購入をしているかを示しているため、ビジネスに関して非常に価値のある情報といえます。一般的に顧客は「2回目の購買」が最もハードルが高いです。しかし2回目をクリアできればその後のリピート率は高まります。

F2転換率を分析することで、マーケティングの成果や、提供する商品・サービスに対する顧客の満足度を評価することが可能です。

アクセス解析ツールを選ぶ3つのポイント

ここからは、アクセス解析ツールを選ぶ際の3つのポイントについて紹介します。

1.必要な機能が搭載されているか

まずアクセス解析ツールを選ぶ際に「自社のECサイトのニーズにマッチした機能が搭載されているかどうか」を重視してください。ツールによって搭載されている機能はさまざまです。そのため導入前に「自社ECサイトに必要な数値・機能」をリストアップしましょう。

2.操作感や使いやすさ

ツールの機能性はもちろん大切ですが、それをスタッフが活用できるかどうかは操作性がキーとなります。高価なツールを導入しても、使いこなせなければ無駄になります。

まずはトライアルなどでUI・UXを確かめましょう。ツールの操作性を簡単に理解できれば、安心して導入できます。

3.サポートが充実しているか

ツールのサポート体制は、導入後の運用において非常に重要なポイントとなります。問題が起きたときに、迅速かつ適切にサポートが受けられるかどうかを確認しましょう。

無料のツールでは、個別の問い合わせに対応していない場合も多く、そのような場合はヘルプページの充実度が重要です。利用者が多いツールには「ユーザーコミュニティ」が存在する場合があり、そこで多くの情報交換や問題解決のヒントが得られます。

SaaS型ECサイト構築プラットフォームのfutureshopは、ご利用店舗様向けの定期開催セミナーにて、Google アナリティクス 4(GA4)をはじめとした分析方法についての講座を用意しています。

ECの分析におすすめのアクセス解析ツール8選

ここからは、ECの分析におすすめのアクセス解析ツールを紹介します。

1.Googleアナリティクス

Googleアナリティクス

引用:Googleアナリティクス

Googleアナリティクスは、Webサイトやアプリのアクセス解析を行うためのツールで、無料と有料のプランがあります。日本国内だけでなく、世界的にも高い知名度と利用率を誇ります。

高性能で多機能なこのツールは、特に企業のWeb担当者にとって最初に導入すべきツールとしておすすめです。無料プランでも十分な機能を提供していますが、大規模なサイト、特にページ数が多く、リクエストが多い通販サイトなどでは、有料プランが適しています。

自社のサイト規模や分析ニーズに合わせてプランを選ぶことが重要です。このような多機能性と柔軟性が、Google アナリティクスが広く推奨される理由の一つです。

2.Google Search Console

Google Serch Console

引用:Google Serach Console

Google Search Consoleは、Google検索におけるWebサイトのパフォーマンスをモニタリング、分析するための無料ツールです。具体的には、サイトのGoogle検索での表示状況の確認、被リンクの数とその出典、インデックス登録のリクエスト、サイトに存在する問題点の特定などが可能です。

このツールとGoogleアナリティクスの主な違いは、Search Consoleが特にGoogleの検索結果におけるサイトのパフォーマンスに焦点を当てている点です。同様に、特定の検索キーワードでのサイトの掲載順位、表示回数、クリック率など、検索に関わる多角的なデータを詳細に確認することができます。

3.FC2アクセス解析

FC2アクセス解析

引用:FC2アクセス解析

FC2アクセス解析は、Webサイトやブログの訪問者を詳しく調査するための無料のツールです。その特徴としてシンプルで直感的な集計表を提供することにより、アクセス解析の初心者でも簡単にデータを理解できます。

主な機能としては、サイトの訪問者数やリンク元の確認ができるのはもちろん、サイト上のクリック解析も行うことが可能です。特定のページや要素がどれだけクリックされるかを主に知ることで、ユーザビリティやコンテンツの効果を評価する素材として使用できます。

4.Similar Web

Similar Web

引用:Similar Web

Similar Webは、サイトの分析ツールであり、このツールの最大の特徴は、自社サイトのデータだけでなく、競合サイトの解析や競合が運用している広告、SEOまで分析可能なことです。

さらに、競合サイトとの「比較機能」が利用でき、この機能を使用することで、専門的な知識がないユーザーでも、効果的な分析を手軽に行うことができます。

5.忍者アクセス解析

忍者アクセス解析

引用:忍者アクセス解析

忍者アクセス解析は、無料で利用できるアクセス解析ツールです。このツールの特徴は、4ヶ月間のアクセスログの保存期間がある点で、これは他の無料ツールと比べても長期間の部類に入ります。

また、無料版で全ての基本機能を利用することが可能です。具体的な機能としては、ユーザーの動きや情報が詳細にわかるアクセスログ機能、ソースコードをHTMLに貼るだけで簡単に設置できる手軽さ、そしてモバイル端末の機種名まで解析できる能力があります。

設置にはバナーの掲載が必要ですが、目立たずデザインに影響を与えないバナーが提供されています。

6.User Insight

User Insight

引用:User Insight

User Insightは、ヒートマップ機能を備えたアクセス解析ツールです。このツールは、訪問者がウェブページのどの部分を集中して閲覧しているのか、どこをクリックしたのか視覚的に確認することができます。

User Insightは、日本の有名企業や多くの機関で採用されています。また、その多機能性は、PC、スマホ、タブレットなど端末ごとの分析も可能にしています。

そして、利用者をサポートするための勉強会なども積極的に開催しており、初心者でも安心して利用することが可能です。このような特性とサポート体制により、User Insightは幅広いユーザーに適したアクセス解析ツールといえます。

7.Juicer

juicer

引用:Juicer

Juicerは、ログリー株式会社が無料で提供するユーザー分析DMP(デジタルマネジメントプラットフォーム)です。Webサイト上のデータを収集し、サイトのパフォーマンス分析や施策の検討(ABテストなど)に活用に活用できます。

Juicerの特徴は、サイト訪問者一人ひとりの人物像や行動を細かく分析し、推定ユーザー像「ペルソナ」を出力してくれます。アクセス解析の観点でも、主要ページやランディングページのデータを収集し、コンテンツ評価を提供します。

Juicerは基本機能が無料で提供され、有料オプションも用意されています。

8.futureshopはアクセスに限らない数値も計測可能

futureshop

引用:futureshop

futureshopはGoogle Analyticsに標準対応しており、アクセス計測ができます。さらにアクセスだけでなくEC運営に関わる各数値のレポート・分析機能があります。これによりECにおける課題や売上のボトルネックをクリック1つで可視化することができます。

アクセス解析ツールは「アクセス」だけに特化した分析ツールです。しかしECサイトにおいては売上の分析、顧客(会員)の分析、商品の分析が必要です。アクセス解析だけだと売上、顧客、商品といった分析軸が難しいことが課題です。一方でfutureshopのレポート機能を使うことでアクセス解析だけでは分析できない課題を発見できるようになります。

futureshopは独自でカート追加など、以下の10種類のイベントを取得可能です。これにより顧客がどこで離脱したのかをきちんと計測し改善に生かせます。

  • 商品一覧を表示したとき
  • 商品一覧から商品を選択したとき
  • カートに商品を追加したとき
  • カートから商品を削除したとき
  • キーワード検索したとき
  • 商品詳細・商品レビューを表示したとき
  • ショッピングカートを表示したとき
  • ご注文手続きを開始したとき
  • お支払い情報を設定したとき
  • 注文または申込を完了したとき

詳しく確認したい方は以下のページを参考にしてみてください。

futureshop:アクセス解析

まとめ

この記事では、アクセス解析ツールの概要や、みるべき指標、アクセス解析ツールを利用するメリットについて紹介しました。ECサイトの運用を効果的に行うには、自社のサイトの分析が不可欠です。

そこで、自社のニーズにあったアクセス解析ツールを利用することで、課題を浮き彫りにするだけでなく、施策の効果についても評価することができます。ただ、初心者が効果的な分析をするには、さまざまなサポートを受ける必要があるため、サポート体制が充実しているアクセス解析ツールを利用するのがおすすめです。

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