リピート率35%のピアスEC「なでしこスタイル」ファンを増やす商品開発とコンテンツマーケティングの舞台裏

なでしこスタイルインタビュー顧客目線のモノづくりによってファンを増やし、売上を大きく伸ばしたネットショップがあります。金属アレルギーに悩むピアスユーザーでも安心して使えるように設計したピアスを、岩手県花巻市から全国に販売している「なでしこスタイル」です。

新規顧客のF2転換率(2回目購入率)が35%にのぼるなど、リピート率の高さが目をひく「なでしこスタイル」。その背景には、マーケットインの発想で作られた魅力的な商品と、その魅力を顧客に伝える独自のコンテンツマーケティングがありました。

店長の金野勝久さんとスタッフさんが一丸となって取り組んでいる“なでしこスタイル流”のECとは?多くのファンから支持される理由を取材しました。

なでしこスタイルインタビュー1

アレルギー対応のチタン製ピアスを販売している「なでしこスタイル」。2010年から自社ECサイトをfutureshopで運用中

アレルギー対応のチタンピアス専門店としてブランドを確立

「なでしこスタイル」は金属アレルギー対応のチタン製ピアスに特化したネットショップです。店長の金野勝久さんが「なでしこスタイル」を創業したのは2010年11月。アレルギーに悩んでいるピアスユーザーがたくさんいることを知った金野さんは、「アレルギーの女性が安心してオシャレを楽しめるようにする」という理念を掲げて自社ECサイトを立ち上げました。

チタンはシルバーやゴールドといった他の素材よりも金属アレルギーが起こりにくいのが特徴です。「なでしこスタイル」のピアスは、ポスト(ピアスホールに通す軸の部分)やフック、キャッチなど肌に触れる部分の金属に純度99.5%以上のチタンを使用しています。さらに、独自のアレルギーテストをクリアした商品のみを販売することで安全性を高めています。

流通しているチタンピアスの中には、メッキ加工のものや、ポストのみがチタン製でフックやキャッチは別の素材を使用しているものも少なくありません。「なでしこスタイル」は、肌に触れる部分の金属は高純度のチタンしか使わないというポリシーを創業当初から貫いています(店長・金野勝久さん)

「なでしこスタイル」のピアスの特徴

  • アレルギー対応のチタン(純度99.5%以上)を使用
  • 耳への負担が軽い形状
  • 商品はすべて国内工場で製造し、アレルギーテスト済み

アレルギーに悩むピアスユーザーの“駆け込み寺”

「なでしこスタイル」はフォーマルからカジュアルまで、着用シーンやその時々の気分に合わせて使えるバリエーション豊かな約170品目のピアスを販売しています。ピアスの単価は1組あたり3000〜1万4000円ほど。商品の企画は社内で行い、製造を提携工場に委託しています。

顧客の年齢分布でもっとも多いのは40歳代〜50歳代の女性。ECサイトのレビューを読むと、ピアスを長年使用していた女性がピアスホールのトラブルに悩むようになり、アレルギー対応のピアスを探した末に「なでしこスタイル」へと辿り着いたケースが多いことがわかります。

レビューの一部抜粋

もう何十年も大丈夫だったpt(プラチナ:編集部注)のピアスが突然ダメになってしまい、困っていた時に「なでしこスタイル」さんを見つけました。 赤みも痒みもなくなり、本当に良かったです。 また、利用させていただきます。

「なでしこスタイル」の顧客の中には、ピアスホールを大切に育てるためにセカンドピアスとして商品を購入する人も少なくありません。セカンドピアスとは、ピアスホールを開けてから約1〜2ヶ月後の皮膚がデリケートな時期に着用するピアスのこと。アレルギーを発症していなくても、「ピアスホールを大切に育てるためにセカンドピアスとして購入する若いお客さまも増えている」(店長・金野勝久さん)そうです。

レビューの一部抜粋

肌が弱いのですが、思い切ってピアスをあけました。ファーストピアスはアレルギー対応にしてもらい、さて次は?とネットで探していたところ なでしこさんを見つけました。小ぶりながらもキラッと存在感もあり、でも目立ち過ぎず。デイリーにピッタリです。もう1ヶ月になりますが、なんのトラブルもありません。 そして、また次を注文してしまいました!肌の弱い私も安心してつけられるのがありがたいです。

セカンドピアスは、ピアスホールの皮膚が固まるまで、基本的には入浴中や睡眠中を含めて24時間つけっぱなしにする必要があります。「なでしこスタイル」では耳を圧迫しない長めのポストで、衣服に引っかかりにくい形状にするなど、つけっぱなしでも耳に負担がかかりにくい商品をセカンドピアスとして販売しています(店長・金野勝久さん)

なでしこスタイルインタビュー2

セカンドピアスにも使える商品は、長めのポストで耳に負担がかかりにくく、入浴剤や化粧品などに触れても輝きを失わない素材を使用している

売上は右肩上がりで2022年に月商1000万円を突破

「なでしこスタイル」は2010年の創業以来、売上高を着実に伸ばしています。特に大きく飛躍したのは2022年。オリジナル商品「三日月ピアス」のヒットもあって月商が初めて1000万円を突破し、年間売上高は前年比20%以上の増収でした。

リピート率が高いのも特徴です。例えば、futureshopのレポート機能でF2転換率を集計したところ、初回購入から3年以内に2回以上購入した顧客の割合は35.08%でした(2024年3月時点)。レポート機能を使うとfutureshopをご利用中の店舗さまのF2転換率について、業界(商品カテゴリ)ごとの分布を見ることもできます。アパレル業界の分布と比較しても「なでしこスタイル」のF2転換率は上位に入っています。

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futureshopの分析レポート機能の1つである「F2転換率分布」を使うと、業界ごとのF2転換率の分布を確認することができる(※画像はイメージ)

「なでしこスタイル」の強みを示す3つの数字

  • 2022年に月商1000万円を突破
  • F2転換率は35%
  • 自社EC比率が90%以上

「安心」の裏付けとなる3つのサービス

チタン製のピアスを販売しているネットショップがたくさんある中で、「なでしこスタイル」が顧客から選ばれる理由の1つは、金属アレルギーに悩んでいるピアスユーザーに「安心」を提供するサービスを行っているためです。例えば、「10日間返品保証」「ピアスホールのお悩み相談室」「ピアス初めて読本」といったサービスがあります。

(1)10日間の返品保証

「なでしこスタイル」のピアスをつけてアレルギー症状が出た場合、商品到着後10日間以内であれば、使用済みでも無償で返品できる。返品手数料や返送時の送料もかからない。(※返品された商品はすべて廃棄)

(2)ピアスホールのお悩み相談室

「ピアスホールのお悩み相談室」はピアスユーザーからの相談に対応するオンラインサービス。自社ECサイト内にある相談フォームに名前・年齢・使用しているピアス・悩んでいる症状などを入力して送信すると、ピアスホールアドバイザーの金野さんからメールで回答が届く。商品を購入していない人でも利用することが可能。現在は1日あたり平均5件ほど相談が寄せられており、累計相談件数は8000件を超えている。

なでしこスタイルインタビュー4

(3)「ピアス初めて読本」

初回購入者限定で、ピアスの知識や使い方、ピアスホールをケアする方法などを記載した「ピアス初めて読本」を商品に同梱している。

なでしこスタイルインタビュー5

「なでしこスタイル」の本質的な価値である「安心」をお客さまに提供するために、なにが必要か考え抜いた結果、これらのサービスに行き着きました(店長・金野勝久さん)

商品開発ではペルソナやTPOを詳細に設定

新商品を開発する際は、想定する顧客の人物像(ペルソナ)の年齢や性格、服装、パーソナルカラー、ピアスをつけるTPOなどを詳細に設定して商品コンセプトを決定します。

仕事用にも使えるピアスであれば、「20代前半の新入社員」なのか「40歳前後の管理職」なのかといった具合に人物像を想定。髪型は黒髪か染めているのか、服装は制服/オフィスカジュアル/スーツのどれなのか、好みの服の色は何色なのかといったことまで絞り込んでいきます。

その上で、「仕事で使うなら、トップが揺れすぎないほうがいい」「ネイビーのようなベーシックカラーの服装を好む女性であれば、ダイヤやパール系が好きなのではないか」といった仮説を立てて商品コンセプトを決めていくそうです。

そのピアスをつけるお客さまは、どこに、どのような目的で出かけるのか。ピアスをつけた自分を、どのような印象に見せたいのか。仕事で着用するなら、どのような職種で、職場はどのような雰囲気なのか。そういったことを具体的にイメージして商品を考えます(商品開発担当・伊藤由美子さん)

顧客のニーズを把握する手段の1つとして、ECサイトのレビューや問い合わせ窓口に寄せられた意見を分析しているほか、購入完了画面にアンケートを表示してピアスの用途を質問することもあります。

また、本社勤務のスタッフさん4人で飲食店や市役所など、さまざまな場所に赴き、街ゆくピアスユーザーを観察することもあるそうです。机上の空論で商品を考えるのではなく、顧客をしっかり見るマーケットインの発想が商品開発のベースにあります。

みんなでランチ会をしながら、ピアスユーザーさんを観察したり、新商品について意見を交わしたりすることもあります(問合対応/SNS担当・小野悠花さん)

ニーズを的確に捉えた「三日月ピアス」がヒット

「なでしこスタイル」の売上が飛躍的に伸びたきっかけにもなった「三日月ピアス」も、こうした商品開発のノウハウによって誕生しました。セカンドピアスとしての使用も想定し、普段使いから仕事まで幅広く使えるデザインを考案。ピアスホールの位置や角度を問わず、どんなピアスホールでも綺麗に見える独自の形状であり、軽くて衣服などに引っかかりにくいなど、つけっぱなしにしても耳に負担がかからないよう工夫が施されています。

発売後、シンプルながら洗練されたデザインと、アレルギーの人でも使える安全性が人気を集めて注文が増加。有名女優がSNSで紹介したこともあり、ヒットに弾みがつきました。「なでしこスタイル」をそれまで利用していなかった新規顧客の獲得にもつながっています。

お客さまからは「こういうのが欲しかった!」「アレルギーでもつけることができて嬉しい!」といった声をレビューなどでたくさんいただきました(店長・金野勝久さん)

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ヒット商品「三日月ピアス」。なでしこスタイルを初めて利用する顧客からも人気

商品の魅力を伝えてファンを増やすコンテンツマーケティング

「なでしこスタイル」ではコンテンツマーケティングに力を注いでおり、検索エンジンからQ&Aや読み物コンテンツへのオーガニック流入が集客の軸になっています。さらに近年はSNS運用やライブコマースにも取り組むことで顧客を増やしてきました。

ピアスの悩みを解消する「Q&A」が集客の柱

オーガニック流入がもっとも多いページは、ピアスに関する悩みへの回答を記載した「ピアスのお悩みを全て解決 Q&A」というコンテンツ。ファーストピアス編、セカンドピアス編、金属アレルギー編、普段の生活編といったテーマで50個以上のQ&Aを掲載しています。店長の金野さん自身がピアスホールを開けた経験や、チタンピアスを長年販売してきたなかで蓄積した専門性の高い情報です。

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Q&Aは、ピアスホールのトラブルに悩んでいるピアスユーザーのために、コツコツ作ってきたものであり、SEOありきで作られたコンテンツではありません。そうであるにもかかわらず、検索エンジンで「セカンドピアス」や「チタンピアス」といたキーワードで検索結果の1位に表示されるページも複数あります。検索ユーザーにとって価値があり、専門性と独自性の高いコンテンツを作れば、結果としてSEOにも効果を発揮する好例と言えるでしょう。

検索エンジンから読み物ページに流入したユーザーの約7%が購入

2022年からは読み物のコンテンツも増やしており、これまで約40本を公開しました。記事の企画から執筆、撮影、モデル役まで4人のスタッフさんが行っており、ピアスユーザーでもあるスタッフさんたちが、顧客目線で知りたい情報を発信しています。

例えば、2024年3月に公開した「春を先取り お仕事スタイルに合わせたい春色ピアス」は、仕事で着ていく春服の色ごとに似合うピアスを提案する企画。ピアスをつける女性の性格や職種、職場の雰囲気などに合わせて、アイボリー・ホワイト・ネイビー・ブルーの服に合うピアスを紹介しています。

スタッフさんが実際に4色の服を着用し、それぞれに合うピアスをつけた写真を掲載するなど、利用シーンをリアルに想起させるコンテンツです。表現力豊かな文章も添えられており、短い文章ながら商品の特徴や魅力も的確に伝えています。

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こうした読み物や商品ページなどを制作する際は、事前に企画書を作成し、タイトルやページ構成、写真の構図、キャッチコピー、説明文などを決めています。企画書の詳細は企業秘密ですが、例えばペルソナの設定においては年齢や外見、服装、仕事、家族構成、交友関係、深層心理まで、まるで実在する人物であるかのように細かく書き込まれていました。

お客さまがピアスをつけるシチュエーションや、そのときの気分を想像し、お客さまが無意識で抱いている「なりたい自分」を先回りして提案できるようなコンテンツ作りを心がけています(商品開発担当・伊藤飛鳥さん)

読み物コンテンツは検索エンジンからの集客やコンバージョン(購入)に大きく貢献しています。例えば、2023年11〜12月の2ヶ月間における検索エンジンからのオーガニック流入数は合計7790人でした。そこから商品ページへ移行した人数が4209人で、購入まで至ったのは547人です。

アクセス数のボリュームの多さもさることながら、読み物にランディングしたユーザーの約7%が購入したというコンバージョン率の高さに驚かされます。顧客のニーズを的確に理解しているスタッフさんたちだからこそ、ピアスユーザーの購入意欲を高めるコンテンツを作ることができるでしょう。

アクセス分析でECサイトの動線を改善

コンテンツマーケティングにおいては、自社ECサイトのアクセス状況を分析し、その結果を読み物の企画や商品ページ作りなどに活かしています。GA4やfutureshopのレポート機能などを使い、検索エンジンからの流入キーワードやページごとのアクセス数、ページ経由のコンバージョン率などを分析することで、ユーザーがどのようなニーズを持っているのか仮説を立てているそうです。

アクセス分析の結果から「お客さまが知りたい情報」や「探している商品」などの仮説を立てて、読み物の企画を考えています。また、読み物から商品ページへの遷移数や、読み物経由のコンバージョン数といったデータも参考にしながら、サイト内の動線を設計しています。(ページ制作担当・佐々木蛍瑠さん)

SNS運用やインスタライブも実施

「なでしこスタイル」では認知獲得やブランディングを目的としてInstagramやX(旧Twitter)のアカウントを運用しています。新着商品や季節限定商品、コーディネートなどの画像を随時投稿しているほか、月に数回の頻度でインスタライブも行っています。

インスタライブは昼12時30分から20〜30分ほど配信しています。出演者2人が天の声との掛け合いでトークをしながら、新着商品や季節に合ったオススメ商品、コーディネート、パールのサイズ比較、ピアスのメンテナンス方法を紹介。視聴者からのコメントを読み上げて回答するなど顧客との交流も深めてきました。

ライブ配信の告知は、配信の3日ほど前からInstagramに複数回投稿。毎回、数十人が同時接続で視聴しています。ライブで紹介した商品が配信直後に売れるなど販売促進にも効果が出ているそうです。

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「なでしこスタイル」のInstagramアカウント

スタッフの人柄が伝わるサンクスメール

自社ECサイトの注文完了後に送信するサンクスメールには、季節にからめた世間話などが綴られています。メルマガを書いたスタッフさんのフルネームも記載されており、文面からは親しみやすい人柄が伝わってきます。非対面のネットショップにおいて、働いているスタッフさんの人柄を感じさせるこうしたコンテンツは、ファンを増やす重要な要素になっていると考えられます。

成長の原動力は「自発的に考えて行動するスタッフ」

「なでしこスタイル」の商品開発やコンテンツマーケティングが成功している背景には、スタッフさんたちが自ら考えて行動する主体性があります。

例えば、コンテンツマーケティングは成果が出るまで時間がかかる上、企画や制作に多くの労力を必要とするため、成果が出る前に止めてしてしまうネットショップも珍しくありません。しかし「なでしこスタイル」は、スタッフさんたちが自ら企画を考え、継続的にコンテンツを作り続けています。その主体的な姿勢が、コンテンツマーケティングが成功した一因であることは間違いないでしょう。

チーム全員が主体的に働くことを重んじる社風は、店長の金野さんが企業理念として掲げてきたことでもあります。金野さんは日頃のミーティングなどでスタッフさんたちに対して「主体性を持って仕事にあたって欲しい」と繰り返し伝えているそうです。経営視点を持って仕事に従事してもらうため、ネットショップの売上高や利益などの業績指標もスタッフさんに共有しています。

仕事をやらされているという意識を捨てて、主体的に仕事に取り組んで欲しいとスタッフたちに伝えています。チーム全員がそういった意識を持てば、それが組織の強みになり、おのずと成果につながるでしょう。実際、スタッフのみんなは期待に応えてくれています(店長・金野勝久さん)

スタッフ4人で沖縄に研修旅行

「なでしこスタイル」ではスタッフさんたちのスキルアップを目的として研修制度も設けています。あらかじめ決められた研修予算の範囲内で、スタッフさんたち自身が勉強会やセミナーを探して参加するのがルール。会社から指示されて受け身で勉強会に参加するのではなく、「自分の意思で、学びたいことを探して欲しい」という金野さんの考えにもとづいたルールです。

研修はECの知識や実務を学ぶものに限らず、経営やマネジメントの勉強会に参加することもあります。2023年には、経営についてゲーム形式で学ぶ「マネジメントゲーム」に参加するため、本社勤務の4人で沖縄県に研修旅行に行きました。

会社における自分の役割を俯瞰的に見られる人材になって欲しいので、経営やマネジメントについても学んで欲しいと考えています(店長・金野勝久さん)

スタッフさんたちの社歴は現在4〜9年ほど。日々の仕事や研修を通じて、みなさんのスキルが上がり、今では金野さんが細かく指示を出さなくてもEC事業が回るようになったそうです。

スタッフたちの成長が「なでしこスタイル」の売上の成長につながっているのは間違いありません(店長・金野勝久さん)

5年後を見据えて商品開発やサイトリニューアルを計画

「なでしこスタイル」は今後に向けて、どのような事業戦略を描いているのでしょうか。

金野さんは2024年の方針について「5年後を見据えて投資する年」と強調しました。新商品の開発を加速させるほか、2024年秋には自社ECサイトのリニュールオープンも計画しています。目下の課題である新規顧客獲得を強化するため、アレルギーの悩みが顕在化していないピアスユーザーにリーチするためのSNSマーケティングなど、検索エンジン経由以外の集客チャネルにも一層注力する方針です。

最後に金野さんは、チームメンバーの成長が「なでしこスタイル」の事業成長につながることをあらためて強調し、インタビュー締め括りました。

私を含めて、働いているメンバーが成長すれば、ネットショップの売上もついてくると思っています。ECの戦略や施策は、もちろん大切です。でも、そのベースにあるチームビルディングこそ重要だと考えています。ピアスのことで悩んでいる人たちの役に立てるように、これからもチーム一丸となって、より良い商品を作っていきたいです(店長・金野勝久さん)

なでしこスタイルインタビュー10

取材を終えて

「なでしこスタイル」の売上が伸びている要因を考えたとき、SEOに強く、検索エンジンからのオーガニック流入が多いといった表面的な事象だけに着目していては、本当の強みを理解することはできません。

「なでしこスタイル」がファンを増やし続けられるのは、メンバー全員が顧客のことを高い解像度で理解し、商品開発やコンテンツマーケティングに取り組むことで、ピアスユーザーに安心を提供するという本質的な価値を実現しているからでしょう。

今回の取材を通じて、店長の金野さんとスタッフさんたちの理念や人柄が、商品やコンテンツに滲み出て、「なでしこスタイル」のブランドイメージの醸成につながっていると感じました。

「なでしこスタイル」のモノづくりの思想やチームビルディングなどの取り組みは、一朝一夕に真似できるものではありません。それが「なでしこスタイル」の強さであり、差別化にもつながっています。ネットショップのオリジナリティを生み出す上で、働いている人たちの個性が重要な役割を果たすのだと、あらためて実感した取材でした。