巣ごもり消費で食品ECに起きた激変とは?PV390%アップの「おとりよせネット」に聞く、グルメニーズの変化

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新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、巣ごもり消費が加速。
外出自粛のムードが漂い、おうち時間を楽しく過ごそうと、食品のお取り寄せのニーズが顕著に増えました。

そんな背景のなか、5月に株式会社フューチャーショップが主催のオンラインセミナー「今、何がお客様に喜ばれているのか? 食品ECメディアが語る現状と施策事例」を開催。

登壇者4名

スピーカーとして登壇したのは、お取り寄せ情報ポータルサイト「おとりよせネット」を運営するアイランド株式会社の方々。おとりよせネット編集長の伊藤梢さん(右上)、利用ショップのサポートを担当する石川妃咲さん(左下)と田中愛さん(右下)です。

4月、コロナ禍で例年よりもアクセスが伸びた「おとりよせネット」には、消費者のどのようなニーズが集まったのでしょうか?
「食品ECの現状」をテーマに語られた濃い1時間を、特に印象的だったポイントに絞りながらレポートします。

消費者の購買意欲をアップさせ、ネットショップに誘導! お取り寄せの情報ポータルサイト「おとりよせネット」

まずは「おとりよせネットとは?」について、石川妃咲さんにお話いただきました。

石川さんにお話を聞きます

アイランド株式会社 おとりよせネット セールスマーケティンググループ 石川 妃咲(いしかわひさき)

2003年11月に設立された、お取り寄せに特化した情報ポータルサイト「おとりよせネット」。
月間PVは約370万(2018年12月時点)、メールマガジン会員は約65,000人、商品数は約5,100点(2019年11月時点)です。

ユーザーデータ

ユーザーデータを見ると、性別は「女性」が72%、年代は「30〜50代」が80%、世帯年収は「500万円以上」が42%。

経済的に余裕があり、食やお取り寄せに興味・関心の高い30〜50代の女性がアクティブユーザーです。

特徴は、GoogleやYahoo!といった検索エンジンに強いこと。
「お取り寄せ 人気」などのワードで検索すると、検索結果の上位に「おとりよせネット」のページが表示されます。

メインコンテンツは

・ 人気商品の情報がひと目でわかる 「ランキングページ」
・ 季節やイベントのテーマに沿った商品を紹介する 「特集ページ」
・ 食や通販に精通した人がイチオシ商品を紹介する 「達人おすすめページ」

 …そしてもう1つ
・その中でも最も注目度の高いのが弊社メイン機能でもある 「モニター審査」 です。

そんな「おとりよせネット」は、商品の紹介をする情報ポータルサイトであり、ECの販売プラットフォームではありません。
EC事業者は「おとりよせネット」を通し、モール店舗や独自ドメイン店舗に送客できます。

サイト内に掲載された「口コミ」「コンテンツ」といった第3者の視点を介することで、消費者の購買意欲をアップさせた状態で、ネットショップへと誘導できるのがメリットです。(石川さん)

人気を集めるグルメは「ストックできる」「調理が手軽」「飽きない」の三拍子。消費者ニーズの変化

続いて、「巣ごもり消費の加速に伴う、消費者ニーズの変化」について、おとりよせネット編集長の伊藤梢さんにお話いただきました。

伊藤さんにお話を伺う

アイランド株式会社 おとりよせネット編集長 伊藤 梢(いとう こずえ)氏
全国にある美味しいお取り寄せ商品が集まる日本最大級のお取り寄せ情報ポータルサイト「おとりよせネット」の編集長。近年では積極的にメディア等に登場し、注目のお取り寄せ情報を発信している

2019年4月と比べ、2020年4月はPVが390%、UUが260%アップした「おとりよせネット」。
巣ごもり消費が加速するにあたり、グルメのお取り寄せニーズも増加しています。

Google Trend 4月「おとりよせ」の検索結果のグラフ

Googleトレンドを見ると、東京都ほか6府県に緊急事態宣言が出された4月7日から12日後、4月19日あたりから「お取り寄せ」のワードでの検索数が急増。

新型コロナウイルス感染症の影響で外出自粛となり、これまで人に贈られることも多かったお取り寄せグルメのニーズが「おうち時間を充実させるため、おいしいグルメを味わいたい」と変化しているのです。

ニーズが変わったことで、ユーザーに求められる商品の傾向も変化しました。

買い物の回数が減って長期保存できるものや、自宅での食事回数が増えて手間なく作れるものが好まれています。

また、実店舗をもち打撃を受けているショップへの応援として、フードロスをなくす支援として、グルメを取り寄せる動きも出ています。

そんな背景を踏まえ、特に注目されているグルメジャンルは「おかずや惣菜」「スイーツ」です。

例えば、手作り惣菜を販売するRF1(アール・エフ・ワン)」の「店長のこだわり セレクトセブンを例に挙げてみましょう。

冷凍保存が可能で自宅にストックしやすい・レンジで温めるだけなので調理が手軽・7種類の惣菜がセットで飽きずに楽しめるという3つの観点から、人気が高まっています。

おとりよせネットユーザーアンケート

今後も、お取り寄せグルメの需要は続くと予想できます。
なぜなら、今回の自粛でECでの商品購入を体験し、便利だと実感。購入のハードルが低くなり、日常的にお取り寄せを楽しむ層が増えると考えられるからです。

「おとりよせネット」ユーザー向けに実施した「新型コロナウィルス感染症流行に伴う『ネット通販(食品)』に関するアンケート」では、「今後、ネットで食品を購入する回数は変わりますか?」という質問に対し、84%の人が「増えると思う」と回答しました。

具体的には「ネットスーパーの利便性がよくわかったので、これからも買い物に出る余裕がないときは利用したい」「食事を作る回数を減らしたい」「ネット通販が楽しみになってきた」といった声が届いています。
外出自粛を機に“自分のために”お取り寄せをして、お取り寄せグルメの魅力を発見し、これからも利用したいと考える消費者が増えたのです。

こういった消費の波にうまく乗るには、「社会が求めるものを届けられるか」が重要になるでしょう。

2020年4月、アメリカのディズニーリゾートによるチュロスのレシピ公開や、チーズケーキブランド「Mr. CHEESECAKE」による人気商品のレシピ公開は、大きな話題を呼びました。

こうした企業の動きは、「消費者におうち時間を楽しんでほしい」という思いによるもの。
SNSが人々の生活に根付いた時代において、“社会のため”を起点とした行動をきっかけに、その企業やブランドを知ることも少なくありません。

「今、世の中の人にとって役立つ商品や情報は何か」と考えて、提供していく。
そんな企業の姿勢や理念に共感して、消費者がファンになっていくのです。 (伊藤さん)

2020年4月に、前年比248%を記録! 伸びているショップの施策事例

最後に、「伸びているショップの施策」について、田中愛さんにお話いただきました。

田中さんにお話を伺います

アイランド株式会社 おとりよせネット セールスマーケティンググループ 田中愛(たなかあい)

お取り寄せグルメの需要が増えるなかで、群を抜いて売り上げを伸ばしたEC事業者は「おうちごはん応援セール」「送料無料」など、早々に施策を打っていました。

例えば、精肉・肉加工品を販売する名産松阪牛 牛松本店の売り上げは、2019年と比べて、2020年1月は91%、2月は103%、3月は110%でした。
需要が少ないタイミングであるうえに昨年10月の増税の影響もあり、注文が落ち着いていたといいます。

しかし、4月に入ってからは一気に前年比248%を記録しました。
5月も10日の時点で前年比200%を超え、売り上げが伸び続けています。

そんな同ショップが「おとりよせネット」で行っているのは、広告出稿や口コミの活用といった施策です。

4月は在庫が追いつきそうになく、途中で広告出稿をストップしていました。もし在庫が追いついていたなら、4月の売り上げは前年比300%を超えていたかもしれません。

モニター審査機能のキャプチャー

「おとりよせネット」でできる施策のなかでも、購入を後押しする施策としてEC事業者からの注目度が高いのが「モニター審査機能」です。

モニター審査機能とは、「おとりよせネット」の会員のなかからモニターを5名選出し、商品を実食した感想を書き込んでもらうもの。

感想コメントのほかにも、「味・おいしさ」「パッケージ・包装・お届け状態」「コストパフォーマンス」といったオリジナル項目による星評価や、実食した際の写真投稿など、消費者目線の口コミ評価で商品を紹介しています。

モニター審査機能で口コミを集めることにより、得られるメリットは3つ。

  1. ひとつ目は、日頃からお取り寄せを楽しむ消費者が、商品のおいしさや魅力を紹介することにより、商品に対する信頼度がアップすること。
  2. ふたつ目は、モニターの手元に届くところからが審査対象であるため、「梱包が雑だったらどうしよう」など、消費者が購入前に抱く不安を払拭できること。
  3. みっつ目は、売り手側が気づかない商品の新たな魅力や、意外な評価ポイント、改善点を知るきっかけになること。
    「ハサミがなくても切れたら便利」といったリアルな声が届くため、商品改善や今後の商品開発につなげられます。

口コミのご紹介

このモニター審査機能は、初回は無料で利用できます。集めた口コミは、ECサイトや商品パッケージ、店頭看板など、二次活用が可能です。

実際、競合に埋もれず、自社の売り上げを伸ばすのは簡単ではありません。
しかし、先ほど紹介した「名産松阪牛 牛松本店」のように、日頃から集客施策を強化しているネットショップは、他社と比べて成長していますね。(田中さん)

まとめ

外出自粛であまり外に出られず、「おうち時間を楽しく過ごすため、おいしいものを食べよう」「3食作るのは大変だから、グルメをお取り寄せしよう」といったニーズから需要が高まった食品EC。

なかでも、売り上げを伸ばすネットショップは、今後を見据えながら「おとりよせネット」の機能を積極的に使っていました。

巣ごもり消費が加速したなかで、消費者の気持ちに寄り添い、先手を打って施策を実施していくことが、成功のカギになるのではないでしょうか。

フューチャーショップは、SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」の提供を通して、食品ECはもちろん、EC業界全体を応援したいと考えています。

また、futureshopは食品ECの販売に強い「予約販売」「定期販売」「ギフト包装選択」等の機能ももちろん、SEOの対策もしっかりと行っていただけます。

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■ 今回ご協力いただいた、「おとりよせネット」様 公式サイトはこちらから。

※記事の情報はセミナーの開催された2020年5月15日時点の情報です